ナイスキャッチィ〜♪

前出の「古畑」の同じ回で、市村のこんなセリフがある。「この音はDのシャープ。(違う)この音はEのフラット。」
これを聞いて多少音楽に知見のある人は、なんだどちらも同じ音のことを言ってるじゃん、さては脚本家は音楽に関しては素人だな、と思ったかもしれない。
しかし実は、D#とEbは同じ音では無い。
この2つの音が同じなのは“12等分平均律”上でのこと。
これは器楽演奏などのために1オクターブを無理やり12に割り切ったもの。
ところで和音のハーモニーはある音に対して整数倍の振動率の音が重なることによって成立する。
例であげるとC(ド)に対しての完全5度のG(ソ)が2:3の割合、C(ド)に対しての長3度のE(ミ)が4:5の割合になっている。
この整数倍の振動率による音律を“純正律”と言う。
12等分平均律はご都合音階のため、この振動率が合っていないのだ。
つまりシビアな絶対音感の持ち主は純正律で和音を判断するため、12等分平均律による和音を受け入れられないのである。
この他にも低音部はより低く、高音部はより高くチューニングするピアノの音や、ルーズな音階そのものが持ち味である雅楽などを聴いていると気持ち悪くて仕方が無いらしい。
ね、これだけ聞くと絶対音感なんか無くてよかったぁと思うでしょ?
おいらももちろんそんなものはかけらも持ち合わせていない。
だからとっても幸せなのだ(はっきり負け惜しみ!)。
次回は「絶対音感」の話になると取り上げなければならない「相対音感」について。