ちんどんやの大きいやつだな

映画「スウィングガールズ」の中で数学の小澤先生が「ジャズっていうのは裏拍にアクセントをつける」という説明をしていた。
確かにそのとおりなのだが、ジャズの定義としてそれより先に理解しマスターしなければいけないものがある、それがハネるビートだ。
劇中では「スウィング」という言葉で表されていたが、いわゆる中抜きの3連符のノリは日本人にはかなり難しく、プロでも演奏に苦労している人が多い。
中抜き3連符と言っても、実際には8分音符にちょっと色つけた程度に軽くしたり、ほとんど付点8分音符+16分音符の組み合わせのごとく重く演奏する場合など、曲調に依って変えたり意識してノリをいじることもある。
例えばこのハネるビートが全部頭打ちで坦々と同じリズムの音符が並んでいるのだったら弾くのも容易だが、実際にはシンコペーションになっていたり食ったり溜めたりするため、やり手のミュージシャンでも演奏符割りがぐちゃぐちゃになってしまったりすることは珍しくない。
おいらの場合やっていた音楽がフュージョンだったため8分音符だけではなく16分音符ベースのハネものなどもやっていた。
だからそのノリには鍛えられているはずだがそれでも危なっかしい演奏になってしまうことがある。
スウィングガールズ」に触発されて楽器をはじめた人達もそのハネるビートがとんでもなく高い壁となって立ちはだかることを今から覚悟しておいた方がよい。