サイドストーリーについて その2

「デッド・オア・デリバリー」
まさにスウィングガールズ本編のはじまる数十分前の物語。
ガールズが届けるハメになった吹奏楽部員分の弁当配達の遅刻の理由が明らかになる。
その原因としてこういう脚本を書いた矢口監督は、ウダウダの長編よりも短編の方が才覚が出ていると思った。
森下能幸演じる気弱なお弁当屋のご主人があまりに情けなくて最高。
そして彼の奥さんが公園でガールズの演奏に文句を言っていたあのオバさんだったのにはびっくりした。


「休日」
サイドストーリーの中でおいら的No.1はこれ。
ダイエッター田中直美(豊島由佳梨)の朝から夜までの1日を描いた作品だが、豊島のとぼけた演技が見事に炸裂し、直美というキャラを通して現実のダイエットがいかに厳しいかを具象化している傑作と言えよう。
友子の妹(金子莉奈)、パチンコ店店主(田中要次)、パチンコ屋の駐車場で演奏にケチつけた客(山口れお)、そしてガールズの理絵(金崎睦美)、明美根本直枝)、加世(前原絵理)、玲子(あべなぎさ)と言った豪華な面子も登場する贅沢な作品。
それら人物の意外な事実も次々と明らかになり……パチンコ屋の客が実は景品泥棒だったり、実家が美容院のはずの理絵が現物支給の小遣いとしてスイカをもらったり(兼業農家かごく近い身内に農家がいるということかな)と見るべきところも多い。
しかし管パラの時系列がこの話が本編中の出来事であるとしている説は間違いだと思う。
もうひとつの可能性として挙げていた翌年の夏休みというのが当たりだろうな。