サイドストーリーについて その1

現在発売中の雑誌「管楽器パラダイス」の時系列分析に則って取り上げてみる。


「スイングtoスウィング」
高校に入学したばかりの中村拓雄(平岡祐太)の入部騒動とそれに絡む斉藤良江(貫地谷しほり)他4名の派手グループの物語。
結局拓雄は希望であった野球部に入ることは叶わず、なりゆきで吹奏楽部員となってしまうのだが、もしこのとき良江の魔の手にかからなければスウィングガールズはのちに誕生しなかったわけで、運命の糸というのはかくも不思議に紡ぐのかと愕然とさせられる。
作中ずっと「SingSingSing」が流れ台詞があまり無い演出は、このストーリーにスピード感を与えるものの、絶対的な効果があるとは思えず正直あまり好きな話ではない。
派手グループにもっと喋らせて欲しかった。


「MONKEY GIRL」
時系列の特定が難しい作品。
友子がサックス購入のために売り飛ばしたパソコンをおばあちゃんに買ってもらったときの話なので、本編の前であるのは確実。
屋外の風景は明らかに秋だし、ラストシーンには「年賀状発売中」ののぼりがあったりして、そうなると山河高校入学前ということになる。
しかし友子は山河高校の制服を着ていたし???
例えば付属中学校があってそれが同じ制服ということも考えられなくはないので、一応中学3年の秋ということにしておくのが無難かな。
ここでも上野樹里演じる鈴木友子がチャキチャキと可愛い。
あと5分くらい長くして友子の奮闘ぶりを見せてくれたら嬉しかったのに。


シーラカンス
情けない工場兄弟と弘美(関根香菜)、由香(水田芙美子)がバンドを解散するいきさつを描いたストーリー。
本編の彼、彼女達の台詞から想像するとおりの展開が起こっていたことをわざわざ映像にしたわけだが、この4人の絡みは見ているだけで楽しい。
ロックというものに理解を示すつもりの無い兄弟と、わかっているつもりでかなり勘違いしている女の子2人のやりとりはほとんどギャグ。
サイドストーリーを作るとあらばまず真っ先に見たいお話なので作品にしてもらったのは嬉しいがカメラワークがアナーキー過ぎて見ていて非常に疲れる。
たぶんわざとああやっているんだろうけどね。